2021年7月1日木曜日

 今日6月30日は清水こがね味噌事件発生から55年目の日です。駅前にテントを張って10時から3時までの座り込みと検察の冒頭陳述の検証を行いました。冒頭陳述では、サラッと「防護柵を乗り越えて」侵入したとされています。その防護柵は見取り図では、高さが1、55メートル、130センチ、120センチの3種類の表記があり、しかも有刺鉄線が張られています。果たして乗り越えられるのか、実寸大の模型を作成して検証を行いました。
 120センチの高さでの柵をどのようにしたら乗り越えられるのか、今日のテーマです。
 マイクの声に関心を持っていただいた方の答えでは、皆さん「無理ですね」という答えでした。ある方は「これは無理。走り高飛びの選手なら難なく飛べるが」との答えがありましたが、顔は笑っていました。
 実寸大の柵の模型を作ったり、今日の座り込みのメッセージを大書したり、手作りの1日行動でした。引き続き冒頭陳述の検証作業を行う予定です。


 

2020年12月26日土曜日

東京高裁は早期審理を

 


東京高裁は早期審理を

昨日23日、袴田巖さんの最高裁への特別抗告に対して、東京高裁への差し戻し決定がありました。

決定は、2年前の高裁の不当決定における、5点の衣類の色に関する味噌漬け実験報告書や専門家の意見書の判断について、専門的知見に基づかずに否定的評価したことについて審理不尽の違法があると判断し、高裁の不当決定を取り消さなければ著しく正義に反するとして取消し、東京高裁に差し戻すというものでした。

また、この決定には5人の裁判官のうち2人が、再審開始すべきとの意見を述べ、さらに時間をかけることになる差し戻し決定に反対しています。

私たちは、この間袴田さんに時間的な猶予はなく、一刻も早い再審開始を求めてきました。今回の決定により、審理が引き続きことになりましたが、袴田さんの命あるうちの再審無罪の実現を強く求めます。

 

裁判官2人の再審を開始すべき理由

22日付の最高裁決定では5人裁判官のうち2人が、袴田さんの再審開始をすべきであるとしています。以下抜粋。

 「多数意見は、原決定を取り消すという限りでは、私たちの考え方と方向性を同じくするところがある。しかしながら、私たちは、多数意見を一歩進めて、みそ漬け実験報告書は、確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生じさせる新証拠であり、また、多数意見と異なり、本田鑑定についても、再審を開始すべき合理的な疑いを生じさせる新証拠であると考える。そして、私たちは、確定審におけるその他の証拠をも総合して再審を開始した原原決定は、その根幹部分と結論において是認できると考える。このような理由から、単にメイラード反応の影響等について審理するだけに原裁判所に差し戻して更に時間をかけることになる多数意見には反対せざるを得ないのである。」



 浜松袴田巖さんを救う市民の会 




 

20201224

 

最高裁の差し戻し決定に対する声明

東京高裁は早期審理を

 

 

1222日、袴田巖さんの最高裁への特別抗告に対して、最高裁第3小法廷の林道晴裁判長ら5人による審理の結果として、多数意見で大島不当決定を取り消し、東京高裁への差し戻し決定がありました。

5人の裁判官のうち林景一及び宇賀克也裁判官が、再審開始すべきとの意見を述べ、さらに時間をかけることになる差し戻し決定に反対しています。

それは、2年前の高裁の不当決定における、5点の衣類の色に関する味噌漬け実験報告書や専門家の意見書の判断について、専門的知見に基づかず否定的評価したことについて審理不尽の違法があると判断し、高裁の不当決定を取り消さなければ著しく正義に反するとしています。

また、みそ漬け実験報告書は、確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生じさせる新証拠であり、また、多数意見と異なり、本田鑑定についても、再審を開始すべき合理的な疑いを生じさせる新証拠であるして、その他の証拠をも総合しての再審開始決定を評価しています。

さらに、差し戻して単にメイラード反応の影響等について審理するだけの差し戻しでは、時間をかけることになるとして多数意見に反対せざるを得ないと意見を述べています。

私たちは、この間袴田さんに時間的な猶予はなく、一刻も早い再審開始を求めてきました。今回の決定により、改めて引き続き身柄の拘束の停止が認められたことになりましたが、確定死刑囚のままでの審理が引き続きことになりました。

東京高裁の早期審理を求め、袴田さんの命あるうちの再審無罪の実現を改めて強く求めるものです。

 

浜松袴田巖さんを救う市民の会


2020年12月14日月曜日

死刑確定から40年 再収監を許さないスタンディングアピール

 



20201212

袴田巖さん死刑確定から40年

再収監を許さないスタンディングアピールから

(アピール途中から)

お年寄りの人が、こういう人生でいいのかなと、まあ、でも私みたいに父親も病気で仕事なんかもできるわけもなく、独身ですし。まあ、結局一生フリーターみたいで終わるような私に、まあ、袴田さんのことを知らせることなんて何もできないわけですが、それでも自分ができるなりに、私の路上活動で袴田巖さんのことを話させてもらったり、こういう方法のお手伝いを、まあ、幟なんかを持つ、お手伝いをさせてもらっています。

 

まあ、実際私もこの浜松で、今年45才ですが、住んできたのに袴田巖さんのことは知らなかったという、市民団体の方々に出会って、初めて袴田巖さんのような人がいるんだということを、無実の犯人の濡れ衣を着せられて、間違って逮捕されて刑務所で何年間も過ごして、自分の人生を潰されたというか、まあ、自分の人生を全うできなかったというか、まあそういう人がいるということを、私も知らないでいたわけで、40を越えて、こういう人が日本とか浜松にいるんだということ知り、自分の勉強不足を知り、と同時に本当に学校とか義務教育とか、テレビとか新聞とかでも、本当に大事なこととか、こういうことが本当に流れていなし、学校でも教えてくれないというか、流れていないというか、本当にこういう日本のおかしいというか、まあ、間違った判断をした警察よりなのか、何かそういう日本の間違ったところも、40歳を越えて分かったというか感じたところです。

2020年9月14日月曜日

52年前の9月11日、袴田さんは死刑判決を受けた

 52年前の9月11日、袴田さんは死刑判決を受けました。この日3回目になる、袴田さんの上告趣意書を読む朗読会を行いました。参加者一人一人が読み合わせ、意見交換をする中で、袴田さんの心中がよく理解でき、中には読みながら涙ぐんでしまう場面もありました。司法権力の残酷な姿が浮き彫りになります。



連日のスタンディングアピール

 袴田さんの再審開始を求める連日のスタンディングアピール。(静岡地裁による袴田さんへの最初の死刑判決は9月11日。9月12日は定例の街頭署名活動日)なお、昨日は34年前に袴田さんが最高裁に提出した上告趣意書の、3回目の朗読会を開催しました。



2020年8月18日火曜日

袴田さん不当逮捕から54年 


                                                                                                                

                                                                                                                         2020818
 最高裁判所第3小法廷 
林 道晴 裁判長殿
袴田巖さんの一刻も早い再審開始決定を求める要請書
袴田さんは54年前の818日、静岡県警によって不当逮捕されました。静岡県警は捜査終了後の報告書で、「犯人は袴田以外にはない、袴田に間違いがないということを強く袴田に印象づけることにつとめる」と、取り調べにあたっていたことが記載されています。捜査に行き詰った県警が、元プロボクサーでアリバイのない袴田さんを、犯人にデッチ上げようとしていたことの証拠に外なりません。
ところで、43年前袴田さんは、無実の訴えを「上告趣意書」として最高裁あて提出しています。この中で、穿けないズボンのこと、ズボンの端切れは警察が仕組んだもの、犯行着衣の2枚のシャツの穴の位置の違いなど、警察の違法捜査を厳しく指摘し、無実の訴えを繰り返し述べています。
また、裁判については「一、二審の誤まった裁判は、必ず、最高裁で正されると確信致すものである」と、期待も抱き、一方で裁判は国民の問題として、「この不当かつデタラメが最高裁に於いて黙視されるようなことがあったら、正義は滅び、国もやがて滅びるであろう」と、述べています。
この43年前の上告趣意書の無実の訴えを改めて受け止め、一刻も早い再審開始決定を求めるものです。
                  浜松 袴田巖さんを救う市民の会
共同代表  渥美 邦夫・寺澤 暢紘

2020818


静岡県警察本部長 山本 和毅 殿


袴田巖さんの54年前の不当逮捕抗議申入書

 
袴田巌さんが身に覚えのない罪で、事件発生から50日後の1966818日に不当逮捕され今年で54年になります。

袴田さんは逮捕から4日後の、822日午後440分から約5分間、清水警察署において弁護人との接見時の会話が、盗聴行為によって「秘密交通権」が侵害されました。
 刑事訴訟法391項は、被疑者・被告人は捜査機関に接見の内容を、知られることなく弁護人と接見する権利として秘密交通権が保障されています。

 このような貴職による違法な接見盗聴は、刑事司法制度の根幹を揺るがす重大な事態であり、静岡県民に対する犯罪行為と言わざるを得ません。

また、袴田さんは殺された専務と格闘した際に、専務から向こう脛を蹴られたと自白させられていますが、逮捕時の身体検査では向こう脛の傷はありませんでした。これは逮捕後の取調の最中に警察官によって作られた傷であり、拷問による自白の強要に外なりません。

貴職による違法な接見盗聴、深夜まで及んだ長時間の取調、拷問による自白の強要、さらには数々の違法な証拠のねつ造などにより、無実の袴田巌さんは犯人に仕立て上げられ、今もなお冤罪は晴れていません。 
 
無実の袴田さんの不当逮捕は、捜査の行き詰まりを隠し、事件解決を焦った結果であり、県民の財産、生命を守るべき貴職の責務を逸脱したもので認められません。
従って、現在審理中の最高裁に於いて、貴職の袴田さんに対する違法捜査の全てを明らかにし、袴田さんの冤罪を晴らすこと強く求めるものです。


              浜松 袴田巖さんを救う市民の会
               共同代表 渥美 邦夫・寺澤 暢紘